長井市×ファッション マッチングプロジェクト2025 長井ツアーダイジェスト


当プロジェクトは長井市コミュニティ協議会が主催となり、全国各地からファッションを学ぶ学生を招待し、山形県長井市の繊維産業を実際に見て、産業従事者から直接話を聞き、伝統工芸なども体験してもらうことで

地域産業と未来のデザイナーたちとの接点を生み出し、これまでにない目線で商品開発を行い2026年より全国の百貨店やセレクトショップを中心に展開をしていくものです。

今回は昨年に続き第2弾の開催となりました。

昨年度はバンタンデザイン研究所の学生を軸に開催されましたが、本年は募集枠を全国の学生に拡げて様々な学生を公募したところ想定を上回る参加者にエントリーいただいたため書類審査を実施し、審査を通過した8名にご参加いただきました。


参加者の在学校

・女子美術大学(東京)

・文化服装学院(東京)

・バンタンデザイン研究所(名古屋)

・モード学園(名古屋)

・上田安子服飾専門学校(大阪)

・インスティチュートマランゴーニ(ミラノ)


開催日時

2025年8月21日〜2025年8月23日



8月21日(初日)

昼過ぎに長井市に到着した参加者8名はそのまま致芳コミュニティセンターに移動して昼食。

この日の昼食は斎藤麩屋の「彩り麩箱」。長井市の生産品でもあるお麩のフルコース弁当です。


食後はキックオフMTを開催。

長井市のことや伝統工芸の勉強会を行った後は、参加者の事前アンケートでも関心が高かった長井紬の織本「長岡織物工房」へ。

明治時代の織物や、現在の織物にも触れつつ、国指定の伝統工芸士"長岡正幸"さんのお話には一同真剣な表情で耳を傾けていました。


この日は長井紬の特徴でもある「」を実際に入れる工程も見学させていただきました。

先染め糸を手作業でわざとずらしながら織り上げていくことで紋様を浮き立たせる超高度な技法。

フルオートの機械では再現できない素晴らしい技術に一同釘付けです。



長井紬工房見学の後は長井市の印刷会社「サンノー企画印刷」へ!

こちらではただ印刷をするだけではなく、社内に複数のデザイナーを雇用し独自のテキスタイルデザインを活かしたブランド「monmonmon」を運営しています。

この日は小関社長とデザイナーの高橋さんが地域で生きることのお話やテキスタイルデザインのこぼれ話をお話しくださいました。

景色を抽象的なデザインに取り入れる際の落とし込み方など非常に参考になる話をしていただき、学生たちも真剣に耳を傾けていました。

8月22日(金)

2日目は自転車で長井市散策から一日がスタート。

快晴の中、各メンバーがそれぞれ行きたいところをリサーチし、街をまわってもらいました。

この時に一部のメンバーが行った三階滝は今回ツアー後のアンケートで「最も印象に残ったスポット」として最多票を獲得したスポットとなりました。

午後からは「長井さしこ」体験。


長井市の中央コミュニティセンターで毎月開催されている「長井刺し子の会」の皆様に講師をしていただきました。

約2時間の間の中で長井さしこのコースターとブローチを作成しました。

海外でも人気の高い日本の刺し子ですが、実際に伝統刺し子に触れる機会がなかなかない現代の学生たちにも非常に新鮮に受け入れられていました。


そのあとは縫製工場見学。

百貨店などで販売されている様々なブランドのカットソーを得意とする「ナガイソーイング」へ。



村上社長自ら講師として、縫製工場の目線で見た「商品が出来上がるまでの工場のこだわり」や、デザインしているだけではなかなかわからない"工場にとって縫いやすい(綺麗に仕上がりやすい)パターン"のお話しなどは、現場を長く知る方のお話なだけに学生も真剣そのもの。

質問がなかなか止まず、話題が尽きることはありません。

夕方には長井市に新たにOPENしたポップカルチャーストア「マルサン吉田商店」へ!

レコードや古着を中心に、長井市をはじめとして置賜地方のアーティストの作品を販売しているお店です。

お店を立ち上げた経緯や、都会のようにたくさんの人がいるわけではない「地方」で地域に根ざしてお店を運営することの面白さや難しさのお話などをお話しいただき、学生たちも話だけでなくお買い物も楽しんでいました。


夜には長井市コミュニティ協議会から講師をお招きして長井の郷土料理「笹巻き」作り。

普段なかなか触れない笹を手に、楽しく料理をしました。

食事の後は各自で最終日の成果発表会の準備へ。

サンプル作成用に準備した沢山の長井紬を湯通しして縮率を計算したり

裁断してサンプル製作をしたり

マーケットリサーチをして資料準備を行なったり

夜遅くまで作業は続きました。



8月23日(土)

夜があけ、最終日は成果発表会。

午前中はそれぞれプレゼンの準備でドタバタしながら最後の仕上げ。

お昼は全国的にも珍しい獅子舞職人が経営するお餅とお蕎麦のお店「獅子宿燻亭」へ。


長井市は「黒獅子」と呼ばれる真っ黒い獅子のお祭りが全ての地区で開催される街です。

広々とした店内では全国の様々な獅子舞や民芸品を目で楽しみながら食事を楽しみました。

伊佐沢コミュニティセンターにて開催された成果発表会にはファション業界に関わる様々な会社よりゲストもいらっしゃり、学生は緊張の面持ち。

しかそれぞれから長井紬を使ったデザイン、長井刺し子を使ったデザイン、長井市からインスピレーションを受けたテキスタイルデザインなど、様々なデザインをプレゼンしてくれました。


張り詰めたプレゼンも終了後は一気に綻んだ顔の参加者。

あっという間の3日間でしたが、みなさん本当にお疲れ様でした。

ここから先はそれぞれ発表してくださったデザインをもとに実際にサンプル作成に入り、年明けからは展示会を開催し、全国の百貨店やセレクトショップとの商談を行い来年の秋冬の流通を目指して進行していきます。

今後の取り組みにもご注目ください。




長井市×ファッション マッチングプロジェクト2025

企画運営 長井市コミュニティ協議会 ワンダーピース


スペシャルサンクス

【笹巻き講師】

梅津恵里さん(平野コミュニティセンター)

神戸史さん(長井市コミュニティ協議会)

【長井紬レクチャー】

飯澤正章(致芳コミュニティセンター)

【学生サポート】

水寄僚子

尹泰陽(ユン テヤン)(長井市地域おこし協力隊)

【撮影】

渋谷徹(長井市地域おこし協力隊)

【車両】

豊田コミュニティセンター

【会場】

SENN(滞在拠点)

致芳コミュニティセンター(キックオフミーティング)

中央コミュニティセンター(刺し子)

伊佐沢コミュニティセンター(成果発表)

【弁当】

斎藤麩屋

【サイクリング車両】

一般社団法人やまがたアルカディア観光局



le creatif matsupoi japon

「matsupoi」 とは、とある言語で 「まぶしい様子」 を指す言葉。​ ART×地域産業を軸にかつて身近にあった産業を新たな視点で切り取り、 創造的な商品を生み出し、セレクトし、提案するファッションプロデュースカンパニーです。